目 次
はじめに
これまで準中型免許には、クラッチやギア操作が必要なMT免許しかありませんでした。
しかし、トラックのAT化や職業ドライバー不足などを背景に、2026年4月1日から「準中型AT限定免許」が新設されました。
これにより、MT車のクラッチ操作やギアチェンジに不安がある方でも、ATの配送トラックなどを運転するための準中型免許を取得できるようになりました。
一方、外免切替で準中型MT免許を取得する場合、技能確認の方法が大きく変わっています。
この記事では、2026年4月以降の準中型免許の外免切替について、特に技能確認の流れや注意点を詳しく解説します。
2026年4月から準中型AT限定免許がスタート

2026年4月1日から、準中型免許にAT限定免許が導入されました。
準中型AT限定免許では、AT車に限り、次の範囲の自動車を運転できます。
- 車両総重量:3.5トン以上7.5トン未満
- 最大積載量:2トン以上4.5トン未満
- 乗車定員:10人以下
配送業務などで使用される小型・中型トラックのAT化が進むなか、「業務ではAT車しか運転しない」という方にとって、取得しやすい免許制度になりました。
警察庁も、トラックやバスのAT車の普及などを踏まえ、準中型免許を含む各種免許にAT限定免許を導入しています。
準中型AT限定免許と準中型MT免許の技能確認の違い
2026年8月現在、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の運転免許センターでは、外免切替の技能確認が次のように行われています。
| 希望する免許 | 使用する車両 | 技能確認 |
| 準中型AT限定免許 | 準中型AT車 | 1STEP |
| 準中型MT免許 | 準中型AT車+普通MT車 | 2STEP |
準中型AT限定免許を希望する場合は、準中型AT車による技能確認のみです。
一方、準中型MT免許を希望する場合は、2種類の車両を使用する「2STEP方式」の技能確認となります。
準中型MT免許の技能確認は2STEP方式

STEP1 準中型AT車による技能確認
最初に、準中型AT車を使用した技能確認が行われます。
準中型車は普通車より車体が大きく、内輪差や死角も大きくなります。そのため、単に車両を動かせるかではなく、準中型車の大きさを理解した安全な運転が求められます。
特に注意したいポイントは次のとおりです。
- 発進前や進路変更時の安全確認
- 左折時の巻き込み確認
- 右左折時の車体位置
- S字・クランクでの車体感覚
- 障害物との安全な間隔
- 信号や一時停止標識への対応
- 横断歩道や踏切での安全確認
技能確認は100点満点の減点方式で、70点以上が「運転に支障なし」の基準となります。
STEP1で基準に達しなかった場合、STEP2の普通MT車による技能確認は行われません。
STEP2 普通MT車による技能確認
STEP1に合格すると、次に普通MT車を使用した技能確認が行われます。
ここでは、日本の交通ルールに沿った運転に加えて、次のようなMT車特有の操作が確認されます。
- クラッチ操作
- 適切なギアの選択
- スムーズな発進・停止
- 坂道での発進
- エンストを防ぐ操作
- 走行状況に応じた変速
従来は準中型MT車だけで技能確認が行われていましたが、新制度では原則として「準中型AT車」と「普通MT車」の両方に対応しなければなりません。
なお、すでに日本のMT普通車を運転できる免許を持っている場合は、普通MT車による技能確認が不要となる場合があります。
STEP1に合格し、STEP2で不合格になった場合
準中型MT免許の技能確認では、STEP1に合格したものの、STEP2の普通MT車で不合格になることも考えられます。
この場合は、受験者の希望によって対応が分かれます。
準中型AT限定免許でよい場合
STEP1の準中型AT車による技能確認に合格しているため、準中型AT限定免許の技能については「運転に支障なし」と判断されます。
そのため、準中型AT限定免許で問題なければ、同免許の交付を受けることができます。首都圏では即日交付となる運用がありますが、受付時間や免許センターの状況によって異なる場合があります。
準中型MT免許を希望する場合
準中型MT免許を希望する場合は、別日に再受験となります。
首都圏の免許センターでは、STEP1の準中型AT車による技能確認が免除され、STEP2の普通MT車による技能確認のみを受ける運用となっています。
ただし、再受験時の取扱いや有効期間、予約方法は、都道府県や運転免許センターによって異なる可能性があります。必ず受験先の運転免許センターで確認してください。
準中型MT免許の技能確認は負担が増える
新制度では、準中型MT免許を希望する方は、車体の大きな準中型AT車と、クラッチ操作が必要な普通MT車の両方に対応しなければなりません。
それぞれ車両の大きさや操作方法が異なるため、従来より受験者の負担は大きくなることが予想されます。
特に、海外でトラックを運転していた方でも、次の点には注意が必要です。
- 日本独自の安全確認方法
- 左側通行への対応
- 左折時の巻き込み確認
- 進路変更時の確認と合図
- 日本の試験で求められるクラッチ操作
- 試験コースや減点基準への理解
海外での運転経験が長くても、日本の技能確認では、日本の交通ルールに沿った運転行動ができるかどうかが確認されます。
受験前にAT限定かMTかを決めておく
準中型免許の外免切替を申請する際は、本当にMT免許が必要なのか、事前に確認しておくことが重要です。
勤務先で運転する車両がすべてAT車であれば、準中型AT限定免許でも業務に支障がない可能性があります。
一方、現在はAT車のみを運転する予定でも、将来的にMT車を運転する可能性がある場合は、準中型MT免許の取得を検討する必要があります。
勤務先にも確認したうえで、必要な免許を選びましょう。
技能確認の前に車両別の練習が必要
準中型MT免許を目指す場合は、準中型AT車と普通MT車を分けて練習することが重要です。
準中型AT車では車体感覚や安全確認、普通MT車ではクラッチやギア操作を重点的に確認しましょう。
特に普通MT車の技能確認では、操作に意識が集中し、安全確認がおろそかになりやすいため注意が必要です。
「MT車を動かせること」だけでなく、「MT操作を行いながら、日本の交通ルールに沿った安全確認ができること」が合格のポイントになります。
まとめ
2026年4月1日から、準中型AT限定免許が新設されました。
準中型AT限定免許の外免切替では、準中型AT車による技能確認が行われます。一方、準中型MT免許を希望する場合は、原則として次の2STEPで技能確認を受けます。
- 準中型AT車による技能確認
- 普通MT車による技能確認
STEP1に合格し、STEP2で不合格となった場合は、準中型AT限定免許の交付を受けるか、準中型MT免許を目指して再受験するかを選択します。
これまでの準中型MT車1台による技能確認とは大きく異なるため、受験前に新しい流れを理解し、それぞれの車両で十分な練習を行うことが大切です。
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※本記事は2026年8月時点の制度および首都圏の運用状況をもとに作成しています。技能確認の実施方法、予約方法、再受験時の取扱いなどは変更される場合があります。最新情報は、申請先の運転免許センターへご確認ください。