教習所で怖い教官に当たってしまったとき、「もう教習なんかやめてやる!」って思うことはごく自然なことです。まして運転に苦手意識を抱いている人にとって、鬼教官の存在が免許取得へのやる気を失う一方でしょう。しかしそのような教官は決して教習生をいじめているわけではありません。
鬼教官に対する対処法をしっかり理解し、今後の教習ライフをより充実したものにしましょう。
1.教官が厳しく指導するワケ
教習に関する口コミによると、次のような体験をされた方がいるみたいです。
- 方向変換がうまくいかず指導員にため息をつかれた。
- 路上を走行中、教官が無言で補助ブレーキを踏んで気まずい空気になった。
- 教官の質問に答えられないと、「卒検(修了検定)受からないぞ!」など必要以上に煽ってきた。
- 一見いい人そうな教官が急に怒り出して、頭が真っ白になった。
このような指導を受けると思わず教官の人間性を疑ってしまいますよね。しかし、教官が厳しく指導するのは決して性格の問題ではありません。それは公安委員会の指導方針に大きく関係しています。自動車学校の指導員になるためには各都道府県の公安委員会から教育と審査を受ける必要があります。その教育内容は教習生を安全なドライバーに育てるため、教習生に厳しく指導するようになっているものもあります。残念ながら、現役ドライバーは誰しも安全運転をしているわけではなく、中には煽りや割込み、幅寄せといった危険運転をする人もいます。そういった人たちへの動揺が運転に表れてしまうと、重大な事故につながりかねません。そのためドライバーは常に平常心でいること、すなわち強いメンタルが要求されます。助手席でネチネチうるさい教官は、じつは教習生のメンタルを鍛えている可能性があります。
2.元教官が語る怖い指導への対処法
「教官がネチネチする理由はなんとなく分かったけど、怖いものは怖い!」と思う方がほとんどかもしれません。ではもし、教習所で怖いと評判の教官にあたってしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。元ベテラン指導員からのアドバイスです。
元気なあいさつでやる気を示そう
気持ちのいいあいさつは人に好印象を与えます。教習が始まる前に「こんにちは、よろしくお願いします!」と元気よくあいさつすることで、自分はまじめに教習を受けるという意思を教官に表してみましょう。教官は「ああ、やる気のある教習生だな。」と必ずわかってくれます。
運転が下手でも一生懸命ならわかってくれる
教習所へ行きたくないという人の理由に、自分は運転が下手だからというものが多くあります。確かにドライビング技術の向上に個人差はあります。しかし、運転が下手だと思っても全く問題ありません。たいていの教官は、教習生が運転に不慣れなことを把握しています。(こんなこともできないのか!と高圧的な人にあたったときは、思いっきり文句を言ってやりましょう。3.を参考にしてください。)ここで大切なことは「教官の指導をきちんと守って、正しく運転しよう!」と思うことです。教官は一生懸命教習に励む人と、そうでない人の違いをしっかり見抜いています。センスがないなと思っても、ぐれた態度で臨まないようにしましょう。
運転が上手でも知ったかぶりには注意
逆に運転に自信がある人は要注意です。教官の指導や指摘に対して「わかってますよ。」とか「知っていますよ。」と適当に流してしまうと、もちろんですが不快にさせたり怒らせたりしてしまいます。車好きでどんなに詳しい知識を持っていたとしても、しょせん教習生です。どんな人も初心を忘れず、教官の指導に従って教習に勤しみましょう。
いろいろ言われても、とりあえず言うことを聞く
厳しい指摘や指導を受けた時、思わず反論やへりくつを言いたくなりますよね。しかしそこはグッと抑えてください。相手は自分よりもはるかに高い技術と知識を兼ね備えた運転のプロです。間違えなく論破されます。きつい言い方をする人もいますが、あくまであなたを優良ドライバーに育てるためにそうしているだけです。きちんという事を聞いてあげましょう。
3.どうしてもダメなとき
「あいさつもしたし、話も聞いたけど、怒られた。やりきれない!」と思っている方もいらっしゃいますよね。このもやもやした気持ちは教習所アレルギーを招いてしまい大変危険です。次の方法で解決してみましょう。
教習生同士でコミュニティをつくる
この気持ちを他の教習生と共有するだけで、意外とすっきりした気持ちになります。もしあなたが人見知りでなければ教習生と仲良くなって、とりわけいやな教官に当たった人同士で思いっきり愚痴をはいてやりましょう。(ただし、度が過ぎたストレス発散や誹謗中傷は控えてください。)また地元の教習所を利用すると、案外顔見知りが大勢います。友達同士で励ましあいながら教習を進めれば、自然と嫌な気持ちはなくなるはずです。
パワハラや暴言を受けたらすぐに窓口や公安委員会に相談
非常識な教官がいたら、すぐに窓口や公安委員会へ訴えましょう。実例としてこんな被害があります。
- ミスをした際に頭をたたかれた。
- ブレーキの強弱のつけ方を説明する際、腕をつかんで説明してきた。
- 運転中に卑猥な質問を何度もしてきた。
- 「お前みたいなやつは何やってもうまくいかない」と人間性を否定された。
このようなパワハラやセクハラ、過度な暴言など、明らかに指導員としておかしい言動があった場合は1人で抱え込まないようにしてください。
まとめ
教官は安全なドライバーを育てる義務を負っている
いろいろと対処法を書きましたが、どの教官も重大な使命感を背負って指導していることは間違いありません。教習生が万が一事故を起こしたら、教官も大きな責任を負うことになってしまいます。(教習生でも事故起こしたら責任を負うことは必ず自覚してください。)だからこそ危険な運転をした時、厳しい言葉で指導するのです。実際に免許取得後は、適切な判断を自分で下します。そう考えると教官の指導のありがたみがよくわかるはずです。教習所の生活も免許取得後の生活も充実したものにするために、ぜひこの3つのポイントを参考にしてください。