高齢者講習で行われる視力検査の内容は?不合格の場合の対処法を解説

2022年3月現在、70歳以上で運転免許を更新する場合は高齢者講習の受講が必要とされています。これまで無事故無違反でゴールド免許だった人も、最低2時間(2022年5月の法改正後は一律2時間)の講習を受けることになります。

この記事では、高齢者講習の中の「視力検査」について、実施の目的や検査の内容、検査前にやるべきことを詳しく紹介します。

運転免許をスムーズに更新したい人や、視力に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。


高齢者講習で視力検査が行われる理由と検査内容

高齢者講習を受ける年齢のドライバーであれば、大多数が若いころよりも視力が落ちたと感じているのではないでしょうか。

しかし中には、多少視力が低下していても、運転にはそこまで影響はないと考える人もいるでしょう。特に、ゴールド免許を保有するような優良ドライバーは、無事故無違反を続けてきたから自分は大丈夫だと思いこんでしまいがちです。

高齢者講習の視力検査は、高齢ドライバーの視力がどれほど衰えているかを認識させ、今後の運転の仕方を見直してもらうことが目的です。

目に異常はなく不自由を感じていない人も、更新時の視力検査を機会に、自身の運転について見直してみましょう。

高齢者講習で行われる視力検査の内容

高齢者講習で行われる視力検査は次の4種類です。

  • 静止視力
  • 動体視力
  • 夜間視力
  • 視野検査

それぞれ何のためにどのような検査をしていくのかを、詳しく見ていきましょう。

静止視力

静止視力とは、静止しているものがどれだけ見えているかの検査です。視力検査で馴染みのあるアルファベットのCに似た環(ランドルト環)のどこが空いているかを答える形で検査します。

更新に必要な視力は、運転免許の種類ごとに決められています。普通免許であれば、両目での視力が0.7以上、片目での視力が0.3以上(片目が0.3未満であれば、もう片方の目で0.7以上)が必要です。

運転免許の種類 両目での視力 片目での視力 備考
  • 普通第一種免許
  • 二輪免許
  • 中型第一種免許(8トン限定中型)
  • 準中型第一種免許(5トン限定準中型)
  • 大型特殊免許
0.7以上 0.3以上 片目が0.3未満であれば、もう片方の目で0.7以上
  • 第二種免許
  • 大型第一種免許
  • 中型第一種免許(限定なし)
  • 準中型第一種免許(限定なし)
  • 大型仮免許
  • 中型仮免許
  • 準中型仮免許
0.8以上 0.5以上  
  • 原付免許
  • 小型特殊免許
0.5以上   片目が見えない場合は、もう片方の目で0.5以上

参考:適性試験の合格基準 警視庁

動体視力

動体視力は、動いているものがどれだけ見えているのかを判断する検査です。静止視力と同様にランドルト環を使い、空いている方向を答えます。実際の検査は次のように行われます。

  • 機械をのぞき込み、遠方からランドルト環が迫ってくる
  • ランドルト環の空いた方向を、確認できた段階でレバーを倒し回答

結果は1~5で五段階評価され、5に近づくほど動体視力は高いとされます。

点数が低かった人は動体視力が落ちている可能性があるので、走行速度を落とし、運転中の視点をできるだけ遠くにおくように心がけましょう。

夜間視力

夜間視力では、「視力の回復時間」と「眩光下(げんこうか)視力」を検査します。

視力の回復時間とは、明るい状態から急に暗くなったときに順応できるまでの時間のことです。眩しい光を直視した後に真っ暗な状態にし、その後ランドルト環の空いている方向を答えます。

もう1つの眩光下視力とは、眩しい光を受けている状況で暗闇のランドルト環の空いた方向が分かるかどうかで検査します。

検査結果が悪い場合は、夜間の走行を控える、トンネルの出口付近では速度を落とす、暗さに慣れてから運転を開始するなどの対策をとるようにしましょう。

視野検査

視野検査は、正面を向いている状態で、左右どの程度の角度まで物体を認識できるのかを調べます。

ある1点のものを見つめたまま、左右に物体を動かし、視界から見えなくなったら答えるという形で計測します。

検査結果で視野が狭いと分かった人は、運転中にできるだけ顔を左右に動かすことを意識してください。特に車線変更や右折左折をするときは、巻き込み事故の恐れがないかよく確認しましょう。


高齢者講習の視力検査を受ける前にやるべきこと

続いて、高齢者講習の視力検査を受ける前にしておくとよいことを紹介します。

  • 眼鏡店で現在の視力を計測してもらう
  • 目が疲れる行為をしない

1つずつ詳しく見ていきましょう。

眼鏡店で現在の視力を計測してもらう

普段、眼鏡やコンタクトレンズをしている場合は、講習前に眼鏡店で現在の視力を測定してもらいましょう。年齢とともに、使用している眼鏡やコンタクトレンズの度数が合わなくなっている可能性があります。

日常生活では不便を感じていなくとも、予想以上に視力が落ちていて、運転に影響がある状態かもしれません。多くの眼鏡店であれば、視力測定は無料でしてもらえるため、眼科よりは気軽に行けるでしょう。

もし眼鏡やコンタクトレンズをしている状態でも、視力の基準を満たせないならば、度を上げることを検討しましょう。

なお、店舗によっては静止視力を測定するだけでなく、乱視や片眼最高視力の測定、両眼のバランステストなどをしてくれるところもあります。事前にどのような測定が可能か聞いておくとよいでしょう。

目が疲れる行為をしない

視力は、その日のコンディションで大きく検査結果が変わります。前日に長時間のテレビ・スマホの利用、深夜までの読書など、目を酷使していると、検査当日の視力は通常より下がってしまう可能性があります。

視力検査の当日のコンディションを整えるため、次のことを行い目の疲れを取るとよいでしょう。

  • 栄養のある食事(ビタミンやDHAなど)
  • 十分な睡眠
  • 体や目のストレッチ
  • 蒸しタオルやホットアイマスク
  • 遠くのものを見て目の筋肉を休ませる
  • 意識してまばたき

高齢者講習の当日、受付後の検査の待ち時間に、暇だからとスマホで目を酷使していては結果に悪影響が出るかもしれません。高齢者講習が終わるまで、気を抜かないようにしましょう。


高齢者講習の視力検査結果が悪かった場合はどうなるのか

もし視力検査で、眼鏡やコンタクトレンズを使っても基準を満たさなかったり、視野が狭すぎたりする場合、免許の更新には影響が出るのでしょうか。

高齢者講習では不合格の判定はない

実は、高齢者講習の視力検査に合否の判定はありません。どれだけ結果が悪くとも、運転免許更新当日の視力検査をクリアできれば更新はできます。

言い換えれば、高齢者講習で問題なくても、免許更新の視力検査に合格できない場合は免許の更新ができないので、覚えておきましょう。

また、75歳以上で免許を更新する予定の人は、その他にも注意点があります。

それは高齢者講習の受講前に「認知機能検査」を受けなければならないということです。認知機能検査は、受検者の記憶力や判断力などを確認する簡易な検査で、運転免許の更新満了日の6ヶ月前から受けられます。

認知機能検査は、結果次第でその後の免許更新ができないこともあるので注意が必要です。詳しく見ていきましょう。

(※認知機能検査の検査内容は令和4年5月13日の改正道路交通法の施行により、変更となりました。本記事では制度変更後の認知機能検査について説明します。)

認知機能検査では、以下の2つのテストを受けます。

  • 手がかり再生(16枚のイラストを覚えて、どれだけ記憶できるかを試すテスト)
  • 時間の見当識(検査時の年月日や曜日、時間を回答するテスト)

以前は「時計描画」という検査もありましたが、制度の改正で実施されなくなりました。

検査結果は採点のうえ後日通知されますが、36点未満だと「認知症のおそれがある」と判定され、専門医の診断が必要になります。専門医から「認知症でない」と診断された場合は高齢者講習を受講後に免許の更新が可能です。ただし、もし認知症と診断された人は、運転免許の取り消しなどの処分を受けます。

検査結果が36点以上の場合は、「認知症のおそれなし」として高齢者講習を受講すれば運転免許を更新できます。

視力とは関係ありませんが、スムーズに免許の更新をしたいのであれば、事前に認知機能検査の対策をしておくのがおすすめです。問題の傾向は道路交通法の改正などで変わるため、最新の問題集や警視庁の発表などをチェックしておきましょう。

不安があった場合は眼科の検診を

高齢者講習の視力検査で結果が良くなかった人は、早めに眼科に行きましょう。

新しい眼鏡を作る場合は、レンズの在庫がないと10日以上かかることがあります。せっかく眼科で診てもらっていても、更新当日に新しい眼鏡を用意できないと意味がありません。

高齢者講習を受けたらなるべく早く、眼科への予約を入れておくのがおすすめです。


高齢者講習と免許更新時の視力検査の違い

「高齢者講習」と「運転免許更新時」それぞれで視力検査がありますが、どのような違いがあるのか分かりづらいかもしれません。

ここでは以下の3つの違いについて解説します。

  • 検査内容
  • 合否の判定
  • 受講手数料

検査内容

高齢者講習と運転免許更新では、以下のように検査内容が異なります。高齢者講習の方が検査の項目が多いことが分かります。

  • 高齢者講習:静止視力・動体視力・夜間視力・視野検査
  • 運転免許更新時:静止視力

※二種免許や大型自動車の更新の場合は、追加で深視力の測定が行われます。

前回の更新で「眼鏡・コンタクトレンズありなら運転可」の条件が付いている人は、装着した状態で検査します。検査当日、眼鏡やコンタクトレンズを忘れないようにしましょう。

検査内容の違いにより、実際にかかる時間も異なります。一般的に高齢者講習での視力検査は30分なのに対して、運転免許の更新時は数分間しかかかりません。

合否の判定

高齢者講習では合否の判定はありませんが、運転免許の更新時には合否の判定がなされます。

先述したように、高齢者講習の検査で静止視力が悪くとも、眼鏡などで矯正し更新時に基準を超えていれば、合格となります。

免許更新時の視力検査で不合格だった場合は再検査が必要です。検査日は、当日時間を空けてから検査をするか、日を改めるかの2通りが選べます。再検査を受けても不合格であれば、運転免許の更新はできません。

また、更新のときに合格はしても、高齢者講習で動体視力や夜間視力、視野検査の結果が悪かった人は、細心の注意を払って運転をするようにしましょう。

受講手数料

受講手数料は受ける講習の内容や違反の状況で変わります。

高齢者講習 運転免許の更新時
  • 2時間6,450円
  • 1時間2,900円※1
  • 更新手数料2,500円

※1:普通自動車対応免許以外の免許を更新しようとする者、または運転技能検査対象者小型特殊免許の場合

参考:認知機能検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新)|警視庁

通常の免許更新時には講習手数料が発生しますが、高齢者講習を受講済みの場合はすでに支払っているため、免許更新時の講習手数料はかかりません。


視力は定期的にチェックしよう

高齢者講習の視力検査では、これまで運転免許の更新時に受けていた静止視力だけでなく、動体視力、夜間視力、視野検査も行われます。高齢者講習には合否はなく、受講さえすれば運転免許の更新を受けられます。

運転の安全性を確保するため、高齢者講習での視力検査で結果が悪かった人は、眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正をしましょう。運転免許の更新時には視力検査で合否があり、基準を超えないと免許取り消しもあり得ます。

高齢者になるほど、視力が低下する可能性は高まります。これまで無事故無違反でも自分は大丈夫と過信せず、視力の低下が著しい人は運転免許の返納も検討して、事故を起こさないようにしましょう。

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