自動車やバイクの免許合宿には繁忙期と閑散期があり、それに伴い費用も高い時期と安い時期があります。閑散期を狙えば料金を節約できるだけでなく、予約や勉強のしやすさなどさまざまな面でメリットがあり、効率的に運転免許を取得できるでしょう。
そこでこの記事では、免許合宿の費用と入校時期の関係や費用相場をわかりやすく解説します。安い時期ならではのメリットや、安いのに観光もできるおすすめの合宿エリアについても解説するのでぜひご一読ください。
目次
免許合宿の安い時期を狙うなら閑散期がおすすめ
免許合宿には繁忙期と閑散期があり、閑散期のほうが料金が安くなるのでおすすめです。一般的に免許合宿の繁忙期は「学生が休みになる時期」と重なります。
つまり、繁忙期は1月後半~4月前半、および7月後半~9月前半。一方、閑散期は4月後半~7月前半、10月〜11月を目安とします。
年末年始や春・夏・冬休みは繁忙期になるため、社会人の場合は有給や会社の長期休暇などを組みあわせて閑散期に合宿ができるよう工夫しましょう。
また、合宿先に向かう際の新幹線や飛行機などのチケット代も閑散期と繁忙期で大きく変わってきます。たとえば4月の前半は繁忙期、後半は閑散期と一気に変化し1日の違いで価格が大きく下がることもあるので、料金を抑えたい人は細かく確認しましょう。
免許取得の費用相場
免許取得の費用は、合宿か通学かで異なります。合宿と通学それぞれにメリットもあるため、費用とメリットのバランスを見て自分にあった方法を選択しましょう。それぞれの費用相場を解説します。
免許合宿の場合
合宿の場合、合宿期間を14〜16日間とすると費用相場は繁忙期で30〜34万円、閑散期で19〜24万円ほどです。
ただし、これはあくまで目安であり、合宿先が都会か地方か、食事や施設の設備が充実しているのか、旅行・ツアーのような企画がセットになっているのかなどでも細かく変わってきます。
また、合宿や入校費用だけでなく、交通費負担や延泊保証の有無などもトータルの費用に影響するので、必ず確認してください。
通学する場合
通学費用は、免許合宿より平均して4万円ほど高いのが特徴です。普通自動車運転免許を取得するのであれば繁忙期で32〜38万円、閑散期で23〜28万円ほど必要になります。
しかし、合宿のようにコインランドリー代や延泊による追加料金などは発生しないため、徒歩や自転車で行ける範囲だとかえって合宿よりも割安になる可能性もあります。
閑散期に免許合宿の費用が安くなる理由
閑散期に免許合宿費用が安くなるのにはいくつか理由があります。なぜ安くなるのかを見ていきましょう。
積極的な生徒募集のため
繁忙期は学生が休みの時期なので、料金が多少高くても入校者は集まります。
しかし、閑散期は学生が少なく、各教習所で入校者の奪い合いになることから、価格を下げて設定しています。
宿泊施設の料金が安くなる影響
教習所が契約する宿泊施設の料金が関係していることもあります。
教習所によってはホテルやペンションなどに宿泊でき、これらの宿泊施設では閑散期の料金を低く設定しています。
そのため、ゴールデンウィークや夏休み、年末などは比較的料金が高くなりがちです。しかし、旅行のオフシーズンであれば宿泊施設の料金が下がり免許合宿費用も安くなります。
安い時期に免許合宿を申し込むメリット
料金が安い時期に免許合宿を申し込むと、費用が浮くだけでなく、ほかにもさまざまなメリットがあります。おもなメリットを紹介します。
予約がしやすい
閑散期は人が少なく、入校や教習の予約が取りやすいのが魅力です。
繁忙期はどうしても参加希望者が集中するため、人気のエリア以外でも予約が殺到し早々に定員となってしまい、希望日に入校できないこともあります。しかし、閑散期なら人気のエリアも予約可能です。
さらに、教習中も比較的余裕があります。たとえば技能教習を受ける際、繁忙期だとなかなか技能教習の予約が取れなかったり人気の教官の枠が空いていなかったりしますが、閑散期であれば取りやすくなります。
勉強に集中できる
閑散期は人が少ないので、勉強に集中しやすいです。たとえば繁忙期の3月頃は、卒業旅行をかねて免許合宿に参加する人が増えます。友達と一緒に参加して思い出づくりをする人も多く、にぎやかな雰囲気になりやすい時期でもあります。
しかし、免許取得に集中するために合宿を選択した人にとっては、かえって勉強の邪魔になりかねません。閑散期に申し込めば人が少ないため、免許取得に集中できる環境が整えられます。
設備や共同施設が空いて待たずに済む
宿泊施設をゆったりと使いやすいのも閑散期ならではの魅力です。お風呂やシャワー、コインランドリー、ドライヤーなどの共用設備は混雑していると順番待ちになることがあります。
しかし、閑散期であれば利用者自体が少ないので、待つことなく利用可能です。もし、自分のうしろに待つ人がいなければ焦らずゆっくりと設備を利用できるので、リラックスして過ごせます。
食事がバイキングの場合も、閑散期なら品切れや混雑などに悩まされず好きなだけ堪能できます。
春の安い時期におすすめの合宿エリア
免許合宿でおすすめな合宿エリアをシーズンごとに紹介します。まずは春におすすめのエリアから見ていきましょう。
花見が楽しめる地域
春といえばお花見の季節です。桜の開花時期と合宿の時期をあわせれば、見事な桜を堪能しながら運転免許を取得できます。たとえば福島県なら約1,000本ものしだれ桜が咲く「日中線しだれ桜並木」や、城と桜の趣あふれる組み合わせが楽しめる「鶴ヶ城公園の桜」、国の天然記念物である「三春滝桜」など多くの桜にまつわる観光名所が存在します。
また、岡山県の倉敷市にある「美観地区」に近い合宿エリアなら、休日にゆらゆらと小舟にのりながら、川べりに咲く桜を堪能することも可能。倉敷ブランドのお土産を買ったりグルメツアーをしたりと旅行気分で楽しめるでしょう。
桜の開花時期は3~4月頃で春休みの学生が多い時期ですが、北海道・東北のエリアを選べばちょうど開花のタイミングで免許合宿の閑散期にさしかかります。コスパも重視したいなら東北エリアへでの合宿がおすすめです。
マリンスポーツが楽しめる地域
夏に海水浴やマリンスポーツを楽しみながら合宿をしたいなら、海水浴場のある海沿いエリアでの合宿はいかがでしょうか。真夏は免許合宿も夏休みの学生であふれかえっているので、狙うなら4月頃の沖縄がおすすめです。沖縄の海開きは4月なので、本州よりも一足早くマリンスポーツを楽しめます。
特に沖縄は観光需要が高いことから、観光をセットにした合宿プランや美ら海水族館のような観光名所の近くに宿泊施設があることを売りにしている教習所も多く、選びやすいのも魅力です。
釣りができる地域
ゆっくり、しずかにくつろぎながら旅行気分を味わいたい、という人におすすめなのが釣りスポット近くでの免許合宿です。たとえばボートフィッシングが堪能できたり、付近の海で釣りやマリンスポーツができたりする合宿プランもあります。
合宿エリアによっては教習所・宿泊施設のすぐ近くに釣具店や釣り堀があり、初心者でも気軽にトライできます。
特に夏休み直前の閑散期は、初夏で水温が高いのでおすすめです。
秋の安い時期におすすめの合宿エリア
次に、秋の免許合宿にぴったりの合宿エリアや楽しみ方をいくつか紹介します。
紅葉が楽しめる地域
秋といえば紅葉を楽しみたい人も多いでしょう。あえて山の付近にある教習所の合宿を選べば、走行エリアに山道が含まれており見事な紅葉を楽しめます。
紅葉は全国各地で見られるため、マリンスポーツよりも教習所選びの選択肢を広げられます。紅葉の時期はエリアによって異なるので、紅葉の時期にあうようにスケジュールを組みましょう。
近くに温泉がある地域
秋や冬は温泉で疲れをいやしながら合宿に集中するのもおすすめです。特に秋口の10~11月頃は、北海道もしくは東北エリアでの合宿を選べば温泉と紅葉両方を一度に堪能できます。
また、全国各地で温泉を売りにしている教習所は非常に多いです。天然温泉日帰りツアーつきのプランがあったり、温泉チケットをもらえて好きなタイミングではいれるプランもあったりします。
温泉街に近い教習所や岩盤浴・サウナを併設している教習所が豊富にあるので、好みの教習所を選びましょう。
ウインタースポーツが楽しめる地域
エリアによっては、閑散期の秋でも一足早くウインタースポーツを楽しみながら運転免許を取得できます。基本的にウインタースポーツがさかんになるのは11月頃からですが、人工雪のある施設であれば10月頃から楽しめるのが特徴です。
また、信州や東北といったウインタースポーツで有名なエリアでは、教習所の合宿プランにリフト乗り放題があったり、料金内でスキーウェア一式がレンタルできたりと豪華なサービスがついている場合もあるので要チェックです。
安い時期に免許合宿を申し込むときのポイント
最後に、合宿費用の安い時期に申し込みするにあたっての注意点も解説します。安いのは良いことですが、中には意外な落とし穴が含まれている場合があるので必ず確認してください。
サービス内容と設備をチェックする
料金が破格のプランに申し込むときは、サービス内容や設備をチェックしましょう。料金が相場・他社よりも安いプランには何らかの理由があります。
たとえば宿泊施設が古かったり、駅からの遠い・バスの本数が少ないなどアクセスが悪いところにあったり、宿泊施設の設備が必要最低限しかないという可能性もあります。
プランの詳細や、宿泊施設の口コミも確認して選ぶと良いでしょう。
延泊料が発生しないか確認する
規定の学習時間で卒業できなかった場合の延泊料金についても、確認しておきましょう。卒業できない人は少なくなく、全体の1割程度が延泊対象になります。延泊料金はプランによってかなり差があり、1泊当たり3,000~1万円ほどかかるケースもあるため、必ず確認しましょう。
最短で卒業できる自信がない場合は、延泊保証のある教習所を選ぶのがおすすめです。延泊保証があると延泊料金が安く済んだり、卒業するまで一切かからなかったりするためトータルでの費用が安くなります。
保証内容は「卒業まで保証」「3日間まで延長可能」「宿泊費は無料だが食事代は一律の料金が必要」などプランによって異なります。保障内容は詳細まで確認するようにしてください。
免許合宿の閑散期は安いだけでなくメリットも多い
免許合宿には閑散期と繁忙期があり、閑散期は繁忙期に比べて費用が6~10万円ほど変わります。できるだけ安く免許を取得したいなら閑散期の参加がおすすめです。閑散期であれば、料金が安いだけでなく予約が取りやすい・施設をゆったり使えるなどさまざまなメリットもあります。
また、安くても観光地付近の合宿エリアを選択すれば観光とあわせて楽しく教習期間を過ごせます。合宿地までの交通費が支給されることも多いので、花見やマリンスポーツなど自分の興味あるプランを実施している教習所を探し、お得に免許を取得しましょう。