高齢者マークとは何か?いつから付けるのか・注意点を徹底解説

運転をしていると、高齢者マークを付けた車を見かけます。普段から当たり前に見ていても、どのような意味があるのか、いつから付けるのかなど、あまり詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、高齢者マークをこれから付ける人や既に付けている人向けに、基本的な知識やメリット、付けて運転をするときの注意点などを解説します。


高齢者マークの基礎知識

まずは高齢マークの基礎知識として、何歳から付けるのか、付ける必要性があるか、高齢者マークに種類はあるのか、などについて紹介します。自分にはまだ不要でも、家族に高齢者ドライバーがいて同じ車を運転するのであれば、高齢マークを付けたほうがよいかもしれません。付ける前に基本をおえていきましょう。

高齢者マークを付ける年齢は70歳以上

高齢者マークの正式名称は高齢運転者識別標といい、四つ葉マーク、もみじマークシルバーマークと呼ばれることもあります。

2022年現在、高齢者マークを付け始める年齢は70歳以上となっています。道路交通法の改正で高齢者マークが生まれた1997年当初は75歳以上でしたが、2002年70歳以上に引き下げられました。対象となる車は軽自動車を含む普通自動車で、大型自動車など他の車種は提示するようになってはいません。

この制度は、高齢の運転手による交通事故が増えたため設けられました。制度が誕生して以降、交通事故のトータル件数は警察庁の統計によると減少傾向ですが、高齢者による交通事故の割合は増加しています。増加の原因には、高齢者の人口が増加したことなどがあげられます。

高齢者マークを付けるのは努力義務

高齢者マークを付けるのは努力義務であり、2022年現在、70歳以上の人が普通自動車で高齢者マークを付けずに運転をしても、罰則はありません

2008年には1度付けることが義務化され、違反者には違反点数1点と反則金4,000円が課せられていました。しかし高齢者や国会議員から反発が多く、2009年に再び努力義務となりました。2022年5月13日に新しい道路交通法が施行されますが、高齢者マークに変更点はなく、当分は70歳から努力義務で付けることになります。

高齢者マークを付ける位置

高齢者マークを付ける位置は道路交通法施行規則第9条の6で、「車両の前後に一枚ずつ、地上0.4m以上1.2m以下の見えやすい場所に貼る」と定められています。

前方であればボンネット、後方であればナンバープレートの左右から後部ライトまでの隙間が一般的です。初心者マークを付けていた位置と条件は同じになります。

走行中の風圧で取れてしまわないよう、マグネットタイプなどは平面部分であることを意識して取り付けてください。

注意点として、指定された高さの範囲内でもフロントガラスに内部から吸盤などで付けるのはNGとなっています。フロントガラスへの取り付けは、高齢者マークに限らず車検の検査標章や法定点検のステッカー以外は、基本的に認められていません。

参考:道路交通法施行規則 | e-Gov法令検索

高齢者マークの種類

2022年現在、高齢者マークは1997年~2011年に採用されていた「もみじマーク(画像の左)」と呼ばれるものと、2011年以降に採用された現在の「四つ葉マーク(画像右)」とも呼ばれるものの2種類があります。

新旧どちらのデザインも、2022年段階で高齢者マークとして機能しています。もみじマークを譲り受けて自身の車に付けて運転をしても、問題ありません。

高齢者マークの入手方法

高齢者マークの入手方法は複数あります。公的な機関や一般店では、それぞれ次のようなところが取り扱っています。

公的な機関 一般店
  • 運転免許の試験場
  • 運転免許の更新センター
  • 運転免許の更新が可能な警察署
  • カー用品店
  • ホームセンター
  • 100円ショップ
  • 各種ネットの通販

価格はさまざまで、シンプルなものなら2枚セットで数百円、凝ったデザインのものなら1枚1,000円を超えるものもあります。マグネットタイプやステッカータイプ、吸盤タイプなどさまざまな種類があるため、使い勝手のよいものを入手しましょう。

ただし、もし乗っている車のボディがアルミ製であれば、マグネットタイプは避けてください。磁石が付かないため、ステッカータイプがおすすめです。


高齢者マークを付ける2つのメリット

努力義務である高齢者マークを、わざわざ購入してまで取り付ける意味はあるのでしょうか。ここでは、付けることによる次の2つのメリットを解説します。

  • 危険運転にさらされるリスクの低下
  • 運転手としての意識の変化

なぜこのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

危険運転にさらされるリスクの低下

道路交通法では、高齢者マークを付けた70歳以上が運転する車に、危険防止の非常時以外で幅寄せや無理な割り込みをすると、次の違反点数や反則金が定められています。

違反点数 反則金
1点
  • 大型車・中型車:7,000円
  • 普通車・二輪車:6,000円
  • 小型特殊:5,000円

参考:自動車の運転者が表示する標識(マーク)について 警視庁

内容は初心者マークを付けている車への違反と同様です。周囲の運転手が反則金や違反点数を避けようとするため、マークを付けている車は危険運転にさらされるリスクが減ります。高齢者マークを付けておくことで、周りから配慮してもらえるでしょう。

運転手としての意識の変化

加齢により視力や判断力、記憶力などが低下することで、深刻な交通事故に繋がる場合があります。しかし運転している当事者の中には、「これまで交通事故を起こしたことはないため自分は大丈夫」と過信してしまう人もいます。交通事故を起こしてからでは遅いため、意識を変えることが重要です。

そこで役に立つのが高齢者マークです。高齢者マークを付けていると、自分は高齢者だと認識し注意力を高めるきっかけになります。

また、70歳以上での運転免許更新では、事前の高齢者講習で実技の指導や詳しい視力検査をしてくれます。結果を真摯に受けとめ、運転免許の更新時などに高齢者マークを入手し、安全運転に努めましょう。

高齢者講習について詳しく知りたい人にはこちらの記事も読んでみてください。
高齢者講習とは?講習内容や受講から免許更新の流れまで徹底解説!


高齢ドライバーが安全に車を運転するコツ

安全運転は運転手全てが心がけるべきことです。しかしどれだけ気をつけていても、交通事故が発生するリスクはあります。そこで、高齢者マークを付け出す年齢の人向けに、車を安全に運転するコツを紹介していきます。

  • 事前に危険予測のトレーニングを受ける
  • 体調不良のときは運転を控える
  • 安全性の高い車に乗り換える

事前に危険予測のトレーニングを受ける

運転で注意するべきことは、教習所や運転免許の更新時の講習などで習います。

しかし、時がたつと運転に慣れて、さまざまな見落としが発生している可能性があります。特に自分が予測もしていないことは注意できないため、交通事故が発生しやすいです。危険予測の例としては、次のようなものがあります。

片道1車線を走行中の危険予測の例
  • 視認している歩行者が急に道を横断しようとする
  • 駐車場やわき道から車が来る
  • 停車中のバスなどの影から人が飛び出す
狭い道路から大通りに合流するときの危険予測の例
  • 一時停止があるところで車や歩行者が横切る
  • 大通りから右折や左折で狭い道路に進入してくる
交差点で右折するときの危険予測の例
  • 対向車の陰からバイクが来る
  • 後方にいたバイクや自転車が左から追い越してくる
  • 右折先の横断歩道に歩行者・自転車がいる

簡単なものであれば、JAFや自動車メーカーが危険予測の動画を公開しています。また有料ですが、一般の法人が行う運転診断のサービスもあります。運転に不安がある人は、高齢者講習を受ける前でも積極的にトレーニングをしましょう。

体調不良のときは運転を控える

体調不良のときは、通常より注意力や判断力が落ちています。突然症状が悪化すると、運転自体が困難になる可能性があります。もし数秒でも意識が飛ぶと、対向車線へのはみ出し、赤信号の道路に進入、カーブを曲がりきれないといったことがありえるでしょう。

そのため、体調不良のときは可能な限り運転を控えたほうがよいです。外出が必要なときはお金をかけてでもタクシーや各種交通機関を使い、交通事故のリスクを減らしましょう。もし交通事故を起こしてしまうと、お金では解決できない事態になってしまいます。

これまで事故にまでは発展していなくても、頻繁に車線をはみ出すことがあったり、思い通りの位置で停車できなかったりする人は、病院や運転免許センターなどで相談をしてください。すぐに対処が必要な事態になっているかもしれません。

安全性の高い車に乗り換える

交通事故防止のため、車の安全性は年々向上しています。国もサポカー(セーフティ・サポートカー)の普及を啓発しており、次の機能を持った車が各自動車メーカーから発売されています。

  • 衝突被害軽減ブレーキで停止をサポート
  • 踏み間違いによる急発進の抑制
  • 車線逸脱の警報
  • 先進ライト

これらの機能があれば、万が一危険な運転をしてしまったときでも、深刻な交通事故に発展するリスクを下げてくれます。

安全性の高い車は、軽自動車や中古車でも高額になりやすいため、気軽に乗り換えするのは困難かもしれません。そのような場合は、後付け可能な踏み間違い防止装置の着用がおすすめです。現在乗っている車のディーラーなどに相談してみましょう。

高齢者の事故対策についてもっと詳しく知りたい人にはこちらの記事もおすすめです。
高齢者の事故対策は?政府や自治体が行っている取り組みを解説


70歳未満の高齢者マークに意味はある?

70歳以上の家族と車を共有している場合などで、70歳未満の人が高齢者マークを付けたまま運転をする可能性はあります。高齢者マークを付けていると、後続車などは運転手の年齢まで簡単に把握できないため、必然的に幅寄せや割り込みのリスクは減らせます。

しかし運転手が70歳未満の場合は、相手が幅寄せや割り込みをしてきても、上記で紹介した違反点数や反則金を課すことはできません。


高齢者マークで自分を守ろう

高齢者マークは、周囲の運転者に配慮が必要な人が運転していることを知らせたり、自分の運転技術の過信を抑えたりする効果が期待できます。70歳以上の努力義務となっていますが、安全な運転を続けたい人は付けておくとよいでしょう。

サポカーなどで安全性が高い車は増えていても、高齢者が交通事故を起こす割合は増加傾向です。交通事故を起こすと、一生後悔をする事態もありえます。条件を満たしていれば自作も可能なため、ぜひこの機会に高齢者マークの着用を検討してみてください。

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