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仮免許の取得者でも保険は適用可能?事故が発生した場合の確認事項も紹介

仮免許中の運転で事故が起きた場合、保険の補償は受けられるのでしょうか。

本記事では仮免許で保険を適用させるための要項や、路上での練習の際に遵守すべきルールを解説します。また、仮免許中の事故について事前に知っておきたい事項も詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「仮免許」とは

仮免許は「仮運転免許証」の略で、道路交通法で定められた正式な運転免許証の一つです。自動車運転免許証を取得する際、路上練習で必要になります。

仮免許には大型仮免許、中型仮免許、準中型仮免許、普通仮免許があり、取得する予定の運転免許の種類に応じた仮免許を取得します。

仮免許でも2つの要件を満たせば任意保険の補償対象になる

仮免許中の事故に任意保険を適用させるには、有資格者の指導や標識の掲示などの法律上の要件を満たすことと、加入している保険の補償範囲に仮免許で運転する人が含まれていることが必要です。

法律上の要件

仮免許中に任意保険を適用させるには、次の法律上の要件をすべて満たす必要があります。

  • 有資格者を同乗させる
  • 仮免許証を携帯する
  • 「仮免許練習中」の標識をつける
  • 決められた道路で練習する

これらは仮免許で路上運転をする際に定められている事項で、任意保険を適用させる際は遵守していることが求められます。

保険の条件

補償を受けるには、加入している任意保険の補償範囲に仮免許で運転する人が含まれる必要があります。

任意保険は、自賠責保険で補いきれない部分をカバーする目的で加入する保険です。運転者を本人だけにしたり、30歳以上や35歳以上など一定の年齢以上に絞ったりすると保険料が安くなるため、加入者の中には運転者を限定している人が少なくありません。

仮免許で車両を運転する際は保険の条件を確認して、運転者の範囲をチェックしましょう。

仮免許取得者における路上練習時のルール

仮免許中の路上練習には、遵守しなければならないルールがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。

有資格者を同乗させる

仮免許の路上運転に同乗させる必要がある有資格者とは、次のいずれかに該当する人です。

  • 指定自動車教習所の教習指導員
  • 練習する車両を運転できる第一種免許を3年以上受けている人
  • 練習する車両を運転できる第二種免許を受けている人

仮免許中は、助手席に同乗した有資格者の指導のもとで運転をする必要があります。

仮免許証を携帯する

路上で車両を運転する際は、必ず仮免許証(仮運転免許証)を携帯します。道路交通法で定められている運転者の免許証の携帯義務は、仮免許であっても同様です。

「仮免許練習中」の標識をつける

仮免許で運転する際は、車両の前後に標識をつける必要があります。

標識は横30センチ以上・縦17センチ以上の白地に、黒文字で「仮免許練習中」と記入されたものを使用します。標識の素材には特に決まりがなく、規定通りであれば厚紙の手製のものや市販されているマグネットタイプのものなど、どのようなものでもかまいません。

標識は、車両の前後(地上0.4メートル以上・1.2メートル以下の位置)の確認しやすい場所につけるよう定められています。

決められた道路で練習する

仮免許中の路上運転は、次の道路以外でおこないます。

  • 高速自動車国道
  • 自動車専用道路
  • 著しい混雑があり練習することが適当でない道路

高速自動車国道は都道府県をまたぐように展開している「中央自動車道」や「東北自動車道」などの道路です。

自動車専用道路は地域交通をスムーズにするために作られた「首都高速道路」や「阪神高速道路」の他、高速自動車国道の機能を代替えする目的で使用される「京葉道路」や「伊勢湾岸道路」などの道路です。

いずれも一般道路に比べて速い速度で走行できますが、仮免許中の練習はおこなえません。

仮免許取得者が練習中に事故に遭った場合の確認事項

仮免許中の事故でも基本的な責任は運転者本人にあり、人を死傷させる人身事故や、建造物を損壊する物損事故などの重大事故を起こした場合、仮免許証が取り消しになります。

基本的な責任は運転者本人にある

事故の責任は仮免許中であっても基本的に車両を運転していた本人にあり、場合によっては次の責任を負う可能性があります。

  • 刑事責任(懲役・禁固・罰金など)
  • 行政責任(免許取り消し・停止など)
  • 民事責任(損害賠償)

これらは免責されることなく、運転者本人に課されます。

重大事故の場合は取り消しになる

人を死傷させる人身事故や、建造物を損壊する物損事故を起こした場合は、仮免許証が取り消される可能性があります。飲酒運転や過度なスピード違反、救護義務違反なども免許取り消しの対象です。

教習中の場合は教官の責任になる場合もある

教習中に教官が安全運転に配慮する義務を怠って事故が発生した場合、教官や教習所が責任を問われることもあります。

基本的に刑事責任や行政責任、民事責任などを負うのは運転者本人です。ただし、居眠りやよそ見など、指導者として明らかな落ち度が認められた場合は、教官や教習所に対して、運転者本人による債務不履行にもとづく損害賠償請求が認められます。

仮免許取得者は練習のため「1日自動車保険」に加入できる?

1日自動車保険は、仮免許中の練習に利用できません。

1日自動車保険は1日(24時間)単位で加入できる自動車保険です。多くの会社がこのサービスを提供していますが、次のような加入条件を設けているのがほとんどです。

  • 都道府県の公安委員会が交付する日本国内で有効な運転免許証を所有していること
  • 運転者本人(記名被保険者)が18歳以上であること
  • 対象になる車両が他人や親族(配偶者除く)が所有する自家用乗用車であること
  • レンタカーやカーシェアリング用の車両ではないこと

1日自動車保険の加入には運転免許の取得が必要なため、仮免許中は加入できません。

仮免許取得中の運転の練習は保険の適用範囲をチェック

仮免許中の事故を任意保険の補償対象にするには、有資格者を同乗させて指導を受けることや標識を掲示することなど、法律上の要件を満たす必要があります。

また、補償の範囲に仮免許で運転する人を含んでいることも必要です。運転者を限定して保険料を安く抑えているケースもあるため、きちんと確認しましょう。

仮免許中であっても、基本的に事故の責任を負うのは運転者本人です。運転の練習をする際は保険の適用範囲をチェックし、路上練習時のルールをきちんと守って慎重におこないましょう。

ジップラス編集部 運転免許コンシェルジュ

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