住んでいる場所が変わった場合は、運転免許証の住所変更手続きが必要です。住所変更をおこなうには、いくつか必要な書類があります。
また、手続きの流れを事前に把握しておくことで、よりスムーズに手続きを進めることができます。必要書類や手続きの流れを理解し、運転免許証の住所変更を完了させましょう。
目次
運転免許証の変更できる現住所・本籍・国籍について
運転免許証で変更できる部分には、現住所と本籍、国籍の3つがあります。シーンに応じて、それぞれ変更手続きが必要です。
現住所
運転免許証に記載されている住所は、現住所です。現住所とは現時点で実際に住んでいる、市区町村の役所に登録されている住所です。
引越しをした際に住民票の変更手続きをしても、運転免許証の現住所は自動的には変更されません。そのため、運転免許証の住所を変更するには、住民票だけではなく運転免許証の住所変更手続きをおこなう必要があります。
本籍
運転免許証に本籍は記載されていませんが、埋め込まれたICチップに情報が登録されています。本籍とは出生や婚姻、死亡などを登録する公文書の戸籍です。
公文書とは政府や官庁などで公務員が作成した文書であり、本籍は公的に登録されたものといえます。本籍を変更した場合や現住所と本籍地が異なる場合は、免許証の更新が必要です。
国籍
国籍とは、自身がどの国家に属しているかを登録したものであり、基本的には生まれた国の国籍を取得しているケースが多いでしょう。
国籍も本籍と同様に、免許証に記載されてはいませんが、ICチップに情報が登録されています。そのため、国籍が変更になった場合は、免許更新の手続きが必要です。
運転免許証の住所変更手続きの流れ
運転免許証の住所変更をスムーズに完了させるには、あらかじめ手続きの流れを知っておく必要があります。どこで手続きができるのかを知り、滞りなく住所変更をおこないましょう。
警察署または運転免許試験場に出向く
運転免許証の住所変更手続きは、新住所を管轄する警察署か運転免許更新センター、運転免許試験場のいずれかでおこないます。
住所変更は本人だけではなく、代理人がおこなうことも可能です。代理人が手続きをする場合は、通常の必要書類に加えて、代理人の本人確認書類や印鑑、委任状も必要になります。
代理人がおこなえるのは住所変更のみで、紛失時の免許証の再交付手続きはできないことも覚えておきましょう。
運転免許証の住所変更に必要な書類
- 運転免許証記載事項変更届
- 運転免許証
- 新しい住所が確認できる書類
- 代理人に依頼する場合は委任状
- 外国人の場合は外国人登録証明書
上記のほか、地域によって必要になるものもあります。それぞれを詳しく解説します。
運転免許証記載事項変更届
警察署、運転免許更新センター、運転免許試験場のいずれかの窓口で住所変更の旨を伝えると、運転免許証記載事項変更届が渡されます。受け取って必要事項を記入しましょう。
運転免許証
住所変更手続きには、運転免許証が必要です。住所変更の際には運転免許証が再発行されるわけではありません。現在持っている運転免許証の裏面に、新しい住所が記載されます。新しい住所が運転免許証の表面に印字されるのは、次の免許更新時です。
新しい住所が確認できる書類
運転免許証の住所変更の際には、新しい住所が確認できる書類も必要です。新しい住所だけでなく、氏名が記載されている次のような書類を用意してください。
- マイナンバー未記載の住民票
- マイナンバーカード
- 健康保険証
- 年金手帳
- 消印付郵便物
- 公共料金の領収書
住所変更の際には、上記のうちのいずれかを持参しましょう。
代理人に依頼する場合は委任状
住所変更を代理人に依頼する場合は、委任状が必要です。
代理人が住所変更をする場合は、代理人本人の身分証明書や住所変更者の運転免許証、委任者と代理人が併記された住民票の写しが必要です。代理人本人の身分証明書として有効なものには、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートや健康保険証などがあげられます。
外国人の場合は外国人登録証明書
外国人が住所変更をする場合は、外国人登録証明書が必要です。また、国籍を変更する場合は、在留カードや特別永住者証明書といった在留資格を提示できる書類を用意しましょう。
地域によって必要になるものもある
手続きする地域によっては、印鑑や免許証用の写真が必要です。印鑑は認印で構いません。写真は縦3.0cm×横2.4cmのもので、申請前の6ヶ月以内に撮影したものを用意しましょう。
事前に管轄する地域の警察署に電話で確認して、どのような書類が必要かを理解しておくことが大切です。
免許証の手続きは2週間を目安に
運転免許証の住所変更手続きに明確な期限はありません。しかし期限がないからといって手続きをあと回しにすると、忘れてしまいがちです。
引越し後に行う手続きのほとんどは、「2週間以内」という期限が設けられています。免許証の住所変更に期限はありませんが、忘れないためにも他の手続きと同様に2週間以内におこなうことをおすすめします。
運転免許証の住所変更のポイント
運転免許証の住所変更をするなら、次のポイントを覚えておきましょう。
- 住所変更の手数料はかからない
- 窓口の受付時間を確認しておく
- 平日以外に手続きをするなら運転免許試験場に行く
ポイントを押さえておくことで、ストレスなく住所変更をおこなえます。
住所変更の手数料はかからない
運転免許証の住所変更手続きでは、手数料はかかりません。免許の更新や紛失時の再交付では手数料が発生しますが、住所変更は無料です。
窓口の受付時間を確認しておく
免許更新センターや警察署には昼休みがあり、その時間帯は住所変更手続きを受け付けていません。窓口の受付可能時間は地域によって異なるため、事前にチェックしておきましょう。受付時間を確認しておくことで、余計に待ったり、出直したりする手間を省くことができます。
平日以外に手続きをするなら運転免許試験場に行く
警察署で住所変更の手続きが可能なのは平日の昼間のみです。平日以外に手続きをするなら、運転免許試験場か免許更新センターへ向かいましょう。
ただし、運転免許試験場などでも、年末年始や土曜祝日は休みなので、受付可能な日時を事前に確認しておきましょう。
運転免許証の住所変更をしないとどうなるのか
運転免許証の住所変更には期限がないため、手続きを忘れている人も多いかもしれません。住所変更には期限は設けられていないものの、住所変更をしないために起こる問題を具体的にご紹介します。
刑罰の対象となる
運転免許証の住所変更をせずに運転すると、刑罰の対象となる場合があります。道路交通法では、第94条第1項で免許の住所変更の義務が定められています。121条第1項では住所変更を怠ると、2万円以下の罰金が定められています。引越しした後は速やかに手続きをおこないましょう。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
運転免許証の更新ハガキが届かない
運転免許証は数年ごとに更新が必要であり、更新のタイミングでハガキが届きます。
この更新ハガキは免許証に登録されている住所に送付されるため、住所変更をしていないと手元に届きません。前住所にハガキが送られてしまい、気づいたときには免許の有効期限が切れてしまう可能性もあります。
免許失効のリスクを避けるためにも、住所変更は必ずおこないましょう。
運転免許証の住所変更をしないデメリット
運転免許証の住所変更をしないことには、さまざまなデメリットがあります。
- 免許証を身分証明書に使用できない
- 免許の更新手続きが面倒になる
- 交通違反時の手続きが煩雑になる
デメリットを正しく理解して、住所変更の必要性を理解しましょう。
免許証を身分証明書に使用できない
運転免許証は顔写真付きの身分証明書として様々なシーンで利用できますが、住所変更をしていないと使用できない場合があります。たとえばローンを組んだり、銀行口座を開設したりする際には、現住所と運転免許証の住所が同一である必要があります。
現住所の情報と運転免許証の住所が一致していないと、身分証明書として利用できない点は大きなデメリットです。
免許の更新手続きが面倒になる
免許更新のタイミングで手続きが面倒になることも、住所変更をしないデメリットの一つです。住所変更をしないと、更新ハガキは前住所に送られます。仮に前住所が実家などで、連絡可能な人が住んでいる場合は受け取りに問題はありません。
しかし、免許の更新は前住所の管轄地域でおこなう必要があるため、都道府県をまたいで引っ越した場合は、更新のたびに出向かなければなりません。
また、前住所に他人が住んでいる場合などは、更新ハガキの存在に気づくことができず、免許を失効してしまう可能性があります。失効した場合は再取得手続きが必要になり、免許更新の手続きが面倒になることはデメリットとして覚えておきましょう。
交通違反時の手続きが煩雑になる
交通違反をした場合は、運転免許証に記載されている住所に必要書類が送られることがあります。住所変更をしていないと、前住所に違反の連絡が届くだけではなく、前住所を管轄する地域の警察署に出向く必要があります。
現住所に連絡が来ないことでやり取りが煩雑になり、手続きの手間が増えることもデメリットの一つです。
運転免許証の住所変更は速やかにおこなおう
住所や本籍を変更した場合は、速やかに運転免許証の住所変更をおこないましょう。住民票を移動させても、運転免許証の住所が自動的に変更されるわけではなく、自身で手続きをする必要があります。
住所変更をしないことにはさまざまなデメリットがあり、場合によっては罰金の対象となります。余計な手間や出費を増やさないためにも、住所や本籍変更のタイミングで、忘れないうちに免許証の住所変更もしておきましょう。